10論理学

第十章 論理学

論理学は、思考の法則とか形式について研究する学問である。人間は、心身の二重体であり、心と身体は一定の形式や法則に支配されながら生きている。身体は生理作用によって健康を維持しているが、生理作用は一定の形式や法則の支配のもとで持続している。例えば、血液は全身を循環しながら養分と酸素を末端の細胞や組織に供給している。それは、血液が「循環の形式」を通じて養分と酸素を全身に供給することを意味している。

人体の知覚や運動は、求心神経や遠心神経を通じて神経の信号が伝達されることによってなされる。これは知覚や運動が、神経における「信号伝達」の形式によってなされることを意味する。

また人体の血液では、常に酵素の触媒作用によって化学反応が起きているが、この反応は一定の法則のもとに行われる。また血管内の血液の流れは、流体の法則のもとに行われる。

このように人体の生理作用は、すべて一定の形式と法則のもとに行われている。

それと同様に、心の思考方式も一定の形式や法則のもとに行われる。人間の思考だけは、法則や形式にとらわれることなく、思いのままにできると考えやすいが、そうではない。

アリストテレス(形式論理学の創始者)以後、形式論理学は、様々な思考がもっているところの、共通な法則や形式だけを扱ってきたが、それに対してヘーゲルやマルクスの論理学(弁証法)は、思考だけでなく自然の発展過程における法則と形式を扱ってきた。

本章において、まず従来の論理学、中でも特に形式論理学とヘーゲル論理学の要点を紹介する。続いて、統一原理に基づいた統一論理学を紹介したのちに、統一論理学の立場から従来の論理学を検討する。