11方法論 授受法の範囲

(二) 授受法の範囲

授受法は神と人間と万物(自然)における存在と発展の根本的な方法である。まず神は内的および外的な自同的授受作用によって永遠性を維持しつつ、内的および外的な発展的授受作用によって、人間と万物を創造された。

人間や万物においても、それぞれの個体(個性真理体)は、それ自体の中で主体と対象の相対的要素が内的な授受作用をしながら、同時にまた他の個体と外的な授受作用をすることによって、存在し発展している。

個体同士の授受作用には、次のようなものがある。まず人間相互間の授受作用がある。それは家庭生活や社会生活における、人間と人間の交わりである。教育、倫理、政治、経済活動などがこの授受作用によって営まれている。

次は、人間と万物の授受作用を見てみよう。ここには、人間が万物を主管する場合の授受作用と、人間が万物を認識する場合の二つの授受作用がある。万物の認識の場合の授受作用の例は、自然科学の基礎研究、自然の探求や鑑賞などがあるが、万物主管の例は、自然科学における応用研究、企業活動、経済活動、芸術の創作活動などがある。

さらに、万物相互間にも授受作用が行われている。原子と原子の授受作用、細胞と細胞の授受作用、星と星の授受作用などがその例である。そのように万物世界では数多くの個体が、それぞれ一定の位置において相互に授受作用を行うことによって、有機的、秩序的な世界を成している。機械における部品と部品の相互作用も、その一例である。

人間の思考や会話も授受法によって営まれている。すなわち、思考における主体的な部分(内的性相)である知情意の機能と、対象的部分(内的形状)である観念、概念、法則、数理が授受作用をすることによって思考が営まれる。

思考における判断(命題)も授受法に従っている。例えば「この花はバラである」という判断は、「この花」と「バラ」という二つの観念を比べる対比型の授受作用である。会話も授受法に従っている。もし相手がでたらめに話せば、聞く人は彼が何を言っているのか理解できない。私が相手の言うことを理解できるのは、相手のもっている観念や概念が、私のもっている観念や概念と一致しているからであり、会話において、相手と私の思考の法則が一致しているからである。これも対比型の授受作用である。