8歴史論 蕩減の法則 

(一) 蕩減の法則

堕落とは、人間が本来の位置と状態を失ったことをいう。そして復帰とは、その失った本来の位置と状態を回復することである。しかるに本来の位置と状態を回復するためには、一定の条件を立てなければならない。復帰のためのその条件を蕩減条件という。

人間が立てなくてはならない蕩減条件とは、第一に信仰基台であり、第二に実体基台である。信仰基台を立てるとは、神が立てた指導者(中心人物)に出会い、その指導者を中心として一定の数理的蕩減期間を通じて、一定の条件物を立てることである。そして実体基台を立てるとは、神が立てられた指導者に罪ある人々が従順に従うことである。

しかしながら歴史を顧みるとき、罪悪社会の人々は神が立てた指導者に従順でなく、かえって彼らを迫害した。したがって義人や聖賢たちの歩む道は常に苦難の路程になったのである。しかし神は、このような義人たちの苦難を祭物的な蕩減条件と見なして、罪悪世界の人々を屈伏せしめ、神の側に復帰してこられた。すなわち義人たちの苦難を条件として、神は罪人たちを悔い改めさせたのである。これが蕩減の法則である。その典型的な例がイエスの十字架であった。イエスの十字架を信ずることによって、多くの罪悪世界の人々は自分たちの罪を自覚し、悔い改めたのである。

今日まで共産主義者は数多くの宗教人、義人、善良な人々を迫害し、殺害してきた。神は彼らの受難を条件として、ついには共産独裁政権を屈伏せしめ、共産世界の人々を解放するように導かれたのである。したがって蕩減の法則から見て、共産主義の滅亡は必然的であったのである。