10論理学 記号論理学

2023年9月8日

(四) 記号論理学

記号論理学は、形式論理学を発展させたものであり、数学的記号を用いて、正しい判断の仕方を正確に研究しようとするものである。形式論理学では、概念の外延の包摂関係、すなわち判断における主概念と賓概念の包摂関係を主題としていた。それに対して記号論理学では概念と概念、命題と命題の結合関係に注目し、数学的記号によって思考の法則や形式を研究することがその主題となった。

命題の結合の五つの基本的形式とされているものは、次のようなものである。(p、qを任意の二つの命題とする。)

① 否定(negation) 「pでない」…… ~p(または ̄)

② 選立(disjunction )「pまたはq」…… p∨q

③ 両立(conjunction )「pとq」…… p・q 

④ 含立(implication )「pならばq」…… p⊃q  

⑤ 等立(equivalence )「pはqに等しい」…… p≡q 

この五つの基本的形式の結合によって、いかなる複雑な演繹的推理も正確に表現される。例えば形式論理学の基本的な原理である、同一律、矛盾律、排中律は次のように記号化される。

  同一律…… p⊃p または p≡p    

  矛盾律…… ~(p・~p) または p・p ̄

  排中律…… p∨~p または p∨ p ̄ 

哲学は、それぞれ膨大な体系性をもっているが、その論理構成が正しいかどうかが問題である。その正しさを見分けるのに、数学的記号を用いて計算してみればよいというのである。そのような立場からできたのが記号論理学である。