10論理学 原相の論理構造

2020年7月2日
(二) 原相の論理構造

以上で、統一論理学の序論に相当する「基本的立場」の説明を終える。次に統一論理学の本論に入ることにする。

ロゴス形成の構造と内的発展的四位基台

すでに述べたように、論理学は思考の法則と形式に関する学問である。ところで統一論理学の根拠は、原相の本性相内の内的四位基台、特に内的発展的四位基台にある。したがって論理学が思考を取り扱う学問である以上、この内的発展的四位基台において、いかにして思考が発生するかを調べてみなければなければならない。

原相論において述べたように、本性相内の内的発展的四位基台の内的性相は知、情、意であり、内的形状は観念、概念、原則、数理である。内的発展的四位基台において、目的を中心として授受作用が行われるが、目的は心情(愛)を基盤として立てられる。すなわち心情(愛)の目的を実現するために授受作用が行われ、ロゴスつまり構想が形成される。ゆえに構想は、あくまでも愛の目的を実現するための構想である。それが論理構造である。そのように「心情(愛)の目的を実現する内的授受作用によってロゴスを形成する内的四位基台」が、まさに論理構造である(図10—11)。

人間も原相のこのような論理構造に倣って、愛の目的を実現するための内的四位基台を造らなければならない。そうすれば、そこから愛を指向する思考が生まれるようになる。

本来の人間の思考

本来、人間の思考においては、動機が心情または愛でなければならない。すなわち、人間の思考は愛の実践のためのものである。人間に自由が与えられているのも愛の実践のためである。自由をもって悪を行ったり、人を憎むのは自由の濫用である。愛の実現とは、要するに愛の世界の実現であり、創造理想世界の実現である。そして多くの人が愛を目指して思考すればするほど、愛の世界はより早く実現するのである。

創造の二段構造

創造の二段構造については、すでに何度も述べているのであるが、ここではそれと論理学の関係について述べる。創造の二段構造とは、内的発展的四位基台と外的発展的四位基台が連続的に形成されることを意味する。そのとき、内的発展的四位基台からロゴスが形成されるが、その内的発展的四位基台がまさに論理構造である。

それでは、外的発展的四位基台は論理学といかなる関係にあるだろうか。論理学にとって外的発展的四位基台は果たして必要なものだろうか。それは必ず必要なものである。なぜならば統一論理学において、思考は創造目的の実現あるいは愛の実現を指向するのであり、したがって愛の実践を前提とするからである。実践するとは、心に思ったことを外部に対して実際に行うことであり、それがまさに外的四位基台の形成を意味するのである。実践の対象は万物であり、人間である。すなわち愛の実践とは、万物を愛し、人間を愛することである。そのように「思考する」ということは、そこには必ず動機と目的と方向があるのであり、必ず実践に移され、行動と結びつかなければならないのである(図10—12)。

そのように思考が実践と結びつくということは、神がそのようになされたからである。すなわち神は構想され(ロゴスを形成し)、創造を開始されたのである。それで「創造の二段構造」という概念が成立したのである。形式論理学では思考そのものだけの形式や法則を扱っているが、統一論理学の立場から見れば、それは間違いではないが不十分である。よく「知行一致」とか「理論と実践の統一」といわれるが、その根拠が創造の二段階構造にあるのである。